2013年9月7日土曜日

食肉の官能特性と成分について

食肉の味や香り、
見た目といった官能特性は、
含まれる成分によって
もたらされるものです。

その食肉の官能特性について、
今日はお話していきたいと思います。

まず、味についてですが、
食肉の呈味(ていみ)成分としては、
酸味を呈する乳酸をはじめとする有機酸、
うま味を呈するアミノ酸や核酸(イノシン酸)
およびペプチド、
塩味を呈する無機塩類、
甘味を呈する還元糖などがありますが、
実際には、うま味や酸味が
重要だと考えられています。

脂肪のおいしさも想定されていますが、
それが味であるのか
香りであるのかについては
はっきりとされてません。

香りについて、
食肉を特徴付ける「肉らしい香り」は
複数の成分によってもたらされています。

いわゆるキーコンパウンドは
存在しないと考えられています。

肉の種類などによっても成分は異なり、
一概に説明できないのが現状です。

肉の悪い臭いについては、
オスに由来するいわゆる性臭や、
糞便に由来するインドール系の臭気、
および保存によって生じる
酸化臭などが知られており、
それぞれ成分の識別が進められています。

食感について、
食肉の食感は主に
構成するタンパク質のうち、
筋線維を構成するものと、
筋肉内結合組織を構成する
タンパク質によって
もたらされているものと考えられています。

外観について、
食肉を特徴付ける赤い色は
ミオグロビンによるものです。

ミオグロビンはその誘導体の種類により
呈する色が変化しますが、
好まれる鮮やかな赤色は、
ミオグロビンが酸素と結合した
オキシミオグロビンによるものです。

オキシミオグロビンはさらに酸化されると
メトミオグロビンになりますが、
このメトミオグロビンは、
消費者に好まれない褐色を呈します。

食肉を放置すると色が悪くなるのは
このためです。

畜種による官能特性の違い
動物種により味や香り、
食感が異なると思われていますが、
実際に異なるのは香りと食感であり、
味は動物間による違いが無いことが
明らかにされています。


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